扁桃炎・扁桃周囲炎
のどには扁桃(扁桃腺)というリンパ組織があります。口を開けたときに両側に見えるクルミのようなものが、口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)です。扁桃炎(扁桃腺炎)はここが炎症をおこした状態を言います。白っぽい膿がぽつぽつと表面に出てきたり、表面全体を白い膜がはったようにおおってしまったりすることもあります。
診断
炎症がおこると高熱がでたり、痛みで食事を摂れなく(飲み込めなく)なったりします。さらにひどくなると扁桃の周辺に炎症が広がり、扁桃周囲膿瘍といって膿が溜まってしまい、切開して膿を出さないといけなくなる場合もあります。こうなってしまうと、口が開かなくなってしまい、呼吸も苦しくなりますので入院が必要になります。
ほかにアデノイドや耳管扁桃、舌根扁桃といわれる扁桃組織が、のどの入り口を取り囲むように存在します。これらの扁桃も炎症を起こします。
扁桃炎は風邪等のどの炎症の後に、扁桃に炎症を起こして発症することが多い疾患です。繰り返し扁桃炎を起こす方もあり、そういった扁桃炎は習慣性扁桃炎と言われ、手術が必要になることがあります。
のど痛と高熱で学校を休むことが多いお子さまは一度耳鼻科医の診察を受けることをお勧めします。
扁桃は体の入り口にある最初の免疫組織器ですので、免疫の働きが弱くなっていると炎症を起こしやすくなります。また扁桃に慢性炎症があると病巣感染といって、体のはなれた場所に病気を起こしてしまうこともあります。IgA腎症は扁桃との関係が知られています。
治療
一般的に細菌感染が多いため抗生剤を処方して治療しますが、抗生剤が効きにくい場合もありますので、完全に治るまで経過を診ながら治療することが大事です。痛みが取れても治っていない場合もあります。繰り返す原因となりますので、しっかり治しましょう。
扁桃周囲に膿が溜まってしまっている場合は、穿刺(針を刺して膿を抜くこと)したり、切開(切って膿を出すこと)したりします。癖になってしまった習慣性扁桃炎は扁桃摘出手術が出来る施設を紹介いたします。
習慣性になるとお薬の治療だけで治すことは難しくなりますので、早めに耳鼻科でご相談ください。